夜明けの街で

『夜明けの街で』

国民的推理作家である東野圭吾。普段、小説を読まない人でも、東野圭吾の名前を知らない人はいないのでは無いでしょうか?ここでは東野圭吾原作の映画で、個人的に好きなものをまとめてみました。まずご紹介したいのが、『夜明けの街で』です。同名ベストセラーを『沈まぬ太陽』の若松節朗監督が、岸谷五朗&深田恭子主演で映画化したラブストーリーです。殺人容疑で時効間近の女と、彼女を愛してしまった妻子ある男の運命・・・パッと聞くとただの不倫ものと思われますが、そこはさすがの東野圭吾。人間模様をドラマティックに描き出し、ぐっと引き込まれてしまう要素満載です。しっとりとしたラブシーンを随所に盛り込み、横浜の夜景など美しい映像も見どころです。

『夜明けの街で』とは

『夜明けの街で』は、不倫を忌み嫌っていたはずの中年サラリーマンがふとしたことから派遣社員と恋に落ち、やがて相手から思いも寄らぬ秘密を打ち明けられ、情愛と現実のはざまで関係がねじれていく姿を描くラブストーリーです。累計120万部を突破した東野圭吾のベストセラー小説を原作に、『沈まぬ太陽』の若松節朗監督が恋愛地獄に落ちた男の苦悩をドラマチックに描いています。不倫にとらわれる主人公を岸谷五朗が演じるほか、その相手役の深田恭子ら演技派キャストの好演も見逃せません。

『夜明けの街で』ストーリー

大手建設会社のエリート社員、渡部和也(岸谷五朗)は、美しく従順な妻、有美子(木村多江)と一人娘に囲まれて、幸せな生活を送っていた。40歳を過ぎ、親友の新谷(石黒賢)の“俺たちはすでに男ではない”という言葉にも何となく納得していたある日、バッティングセンターで派遣社員の仲西秋葉(深田恭子)とばったり遭遇。新谷と3人でカラオケに行くが、泥酔した秋葉が渡部の背中に嘔吐。後日、謝罪されたものの、対応の悪さにキレる渡部。だがその一方で、涙を浮かべて自分の不器用さを詫びる秋葉に惹かれたのも事実だった。再会の約束をした二人は、秋葉の叔母、浜崎妙子(萬田久子)が経営するバーへ。秋葉の淋しげな微笑みが気になった渡部は、彼女を横浜の実家まで送る。そこで秋葉の父、中西達彦(中村雅俊)と遭遇し、親子の間に冷ややかなものを感じるのだった。招かれるまま屋敷に上がり込む渡部に、秋葉はこの屋敷で殺人事件があったことを仄めかす。そして一線を越える2人。“不倫をする奴なんて、馬鹿だ”と考えていた渡部だったが、秋葉との関係は一回で終わることはなかった。何一つ疑う様子のない妻に対して罪悪感を覚えつつも、嘘を重ねてゆく毎日。そんなある日、秋葉は15年前に屋敷で起きた殺人事件について打ち明ける。殺されたのは、達彦の秘書兼愛人の麗子という女性。第一発見者は秋葉だった。犯人は未だ捕まらず、間もなく時効を迎えるという。辛い過去を知った渡部は、今まで以上に秋葉を守ってやりたいと考えるようになる。新谷の忠告も聞かず、秋葉との関係は続く。2人の将来を真剣に考えるようになった渡部に、秋葉は告げる。“3月31日まで待って”。その意味を測りかねる渡部だったが、静かにその日は訪れた。一緒にいてほしいと頼まれ、屋敷を訪れるが、そこに達彦と妙子が現れる。そして明かされる衝撃の真実。秋葉が15年間抱え込んできた秘密とは一体……?

『夜明けの街で』キャスト

  • 渡部和也(会社員) - 岸谷五朗
  • 仲西秋葉(派遣社員) - 深田恭子
  • 渡部有美子(和也の妻) - 木村多江
  • 新谷(和也の親友) - 石黒賢
  • 裡村(和也の部下) - 黄川田将也
  • 部長(和也の上司) - 田中健
  • 浜崎妙子(秋葉の叔母) - 萬田久子
  • 仲西達彦(秋葉の父) - 中村雅俊
  • 渡部園美(和也の娘) - 栗本有規

スタッフ

  • 監督 - 若松節朗
  • 脚本 - 川崎いづみ
  • 原作 - 東野圭吾「夜明けの街で」(角川文庫)
  • エグゼクティブプロデューサー - 井上伸一郎
  • 企画 - 池田宏之
  • 製作 - 椎名保、阿佐美弘恭
  • プロデューサー - 土川勉、鈴木光、岡田和則、坂本忠久
  • 撮影 - 蔦井孝洋
  • 美術 - 和田洋
  • 音楽 - 住友紀人
  • 録音 - 柿澤潔
  • 照明 - 高橋幸司
  • 編集 - 新井孝夫
  • 製作 - 「夜明けの街で」製作委員会
  • 配給 - 角川映画

小説『夜明けの街で』

人気作家・東野圭吾の日本の推理小説『夜明けの街で』。横浜を舞台にし、不倫を軸に置いた作品で、東野の新境地といえる作品です。角川書店発行の『野性時代』にて2004年9月号から2007年4月号まで連載され、その間の2006年2月号には番外編が掲載されました。サザンオールスターズの『LOVE AFFAIR ~秘密のデート~』に感化されて書いた作品らしく、ところどころ歌詞に沿った話が出てくるところもユニークです。2003年の『殺人の門』以来、4年ぶりにある2007年6月30日、同社より単行本が刊行されました。

ストーリー

お盆休み明けのある暑い日、渡部の会社に派遣社員としてやって来た31歳の仲西秋葉。妻子ある渡部は、不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。しかし、彼女と出会って、それがどうしようもない時もあると知った。渡部と秋葉は急速に接近し、ついに一線を越えてしまう。家庭を裏切りながらも秋葉との逢瀬を楽しむ渡部だったが、秋葉は複雑な家庭事情を抱えており、15年前に起きたある殺人事件の容疑者でもあった。「三月三十一日に全てを話す」と言う秋葉。その日は、15年前の事件の時効成立の日であった・・・。

登場人物

渡部主人公。妻1人、娘1人の3人暮らし。東京都中央区日本橋に所在する、ゼネコンの電気関係の部署に勤めており、役職は主任。不倫を軽蔑していたが、自分がその当事者になる。

仲西
秋葉渡部の勤める会社の派遣社員であり、渡部の不倫相手。かなりの負けず嫌いで、渡部とはお互いに意地を張り合うことがしばしば。誰にも話せない過去を抱えている。
有美子
渡部の妻。のんびりとおおらかな性格だが、時折、渡部の不倫に気づいているような素振りもみせる。
園美
渡部の娘。
新谷渡部の悪友。自身が不倫の経験を持っているだけに、渡部に色々と助言をする。
本条麗子
秋葉の父親の愛人。15年前、仲西家で死んでいるのを、秋葉が発見した。
釘宮真紀子
渡部がバーで出会った女性。
芦原刑事。
15年前の事件を追う。回りくどい言い方をして渡部から当時の事件の情報を聞き出そうとする。
秋葉の母親
夫の不倫に気付き、自殺した。
マダム・カラフル
渡部がバー「蝶の巣」で出会った女性。秋葉の母の妹、つまり叔母にあたる人物。
秋葉の父親
不倫をして、本条と付き合っていた。

東野圭吾

人気作家、東野圭吾は1958年2月4日生まれ。大阪府大阪市生野区出身、大阪府立大学工学部電気工学科卒業後、日本電装株式会社(現デンソー)に技術者として入社。その後1985年「放課後」でデビューし、小説家となりました。

東野圭吾の受賞歴

  • 第31回:江戸川乱歩賞(昭和60年/1985年)「放課後」
  • 第52回:日本推理作家協会賞[長編部門](平成11年/1999年)『秘密』
  • 第134回:直木賞(平成17年/2005年下期)『容疑者Xの献身』
  • 第6回:本格ミステリ大賞[小説部門](平成18年/2006年)『容疑者Xの献身』
  • 第43回:新風賞(平成20年/2008年)『流星の絆』
  • 第7回:中央公論文芸賞(平成24年/2012年)『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

東野圭吾の候補歴

  • 第30回:江戸川乱歩賞(昭和59年/1984年)「魔球」
  • 第41回:日本推理作家協会賞[長編部門](昭和63年/1988年)『学生街の殺人』
  • 第11回:吉川英治文学新人賞(平成1年/1989年)『鳥人計画』
  • 第44回:日本推理作家協会賞[短編および連作短編集部門](平成3年/1991年)「天使の耳」
  • 第45回:日本推理作家協会賞[短編および連作短編集部門](平成4年/1992年)「鏡の中で」
  • 第46回:日本推理作家協会賞[長編部門](平成5年/1993年)『ある閉ざされた雪の山荘で』
  • 第46回:日本推理作家協会賞[短編および連作短編集部門](平成5年/1993年)『交通警察の夜』
  • 第17回:吉川英治文学新人賞(平成7年/1995年)『天空の蜂』
  • 第18回:吉川英治文学新人賞(平成8年/1996年)『名探偵の掟』
  • 第120回:直木賞(平成10年/1998年下期)『秘密』
  • 第20回:吉川英治文学新人賞(平成10年/1998年)『秘密』
  • 第122回:直木賞(平成11年/1999年下期)『白夜行』
  • 第125回:直木賞(平成13年/2001年上期)『片想い』
  • 第129回:直木賞(平成15年/2003年上期)『手紙』
  • 第131回:直木賞(平成16年/2004年上期)『幻夜』
  • 第3回2006年本屋大賞(平成18年/2006年)『容疑者Xの献身』
  • 第14回島清恋愛文学賞(平成19年/2007年)『夜明けの街で』
  • 第6回:2009年本屋大賞(平成21年/2009年)『流星の絆』
  • 第2回:2009大学読書人大賞(平成21年/2009年)『容疑者Xの献身』
  • 第7回:2010年本屋大賞(平成22年/2010年)『新参者』

東野 圭吾の人気シリーズ

東野 圭吾の人気シリーズをまとめました。

ガリレオシリーズ
  • 探偵ガリレオ(1998)
  • 予知夢(2000)
  • 容疑者Xの献身(2005)
  • ガリレオの苦悩(2008)
  • 聖女の救済(2008)
  • 真夏の方程式(2011)
  • 虚像の道化師 ガリレオ 7(2012)
  • 禁断の魔術 ガリレオ8(2012)
加賀恭一郎シリーズ
  • 卒業―雪月花殺人ゲーム(1986)
  • 眠りの森(1989)
  • どちらかが彼女を殺した(1996)
  • 悪意(1996)
  • 私が彼を殺した(1999)
  • 嘘をもうひとつだけ(2000)
  • 赤い指(2006)
  • 新参者(2009)
  • 麒麟の翼(2011)
笑小説シリーズ
  • 怪笑小説(1995)
  • 毒笑小説(1996)
  • 黒笑小説(2005)
  • 歪笑小説(2012)
天下一大五郎シリーズ
  • 名探偵の掟(1996)
  • 名探偵の呪縛(1996)
浪花少年探偵団シリーズ
  • 浪花少年探偵団(1988)
  • 浪花少年探偵団2(1993)